本記事は胸が垂れてきたとお悩みの方へ、垂れ乳の定義や改善方法を写真や画像を使って詳しく解説しながら、正しいブラの着け方やおすすめ商品をご紹介しています。垂れ乳でよくあるご質問にもお答えしていますので、ぜひ参考にしてください。
年齢やライフスタイルの変化とともに「胸の形が変わってきた」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。その中でも「垂れ乳」は、悩まれる方も多い変化の一つです。
この記事では、垂れ乳の定義や特徴、同じように悩みの一つと言われる「削げ胸」との違いについても分かりやすく解説します。
「垂れ乳」とは、胸が重力に負けて下方向に下がってしまった状態のことを指します。
具体的には、バストトップの位置が下がり、バスト全体が下向きにボリュームを感じるようになります。上から見るとハリがなく、デコルテ部分が削げたように見えるのも特徴です。
これは、胸を支える「クーパー靭帯」と呼ばれる組織が伸びたり傷ついたりすることで起こると言われています。
バストがどれくらい垂れているかを判断するために、海外の医療の現場でよく使われるのが「レグノー分類」(Regnault classification)という基準です。
これは、バストトップ(乳首)とバストとお腹の境目(=バージスライン、医学用語でIMF)との位置関係で、垂れ具合を3段階に分けています。
なお、トリンプではバージスラインをバストフレームと呼んでおります。バストフレーム(バージスライン)は、バストの下をぐるっと囲むカーブ状のラインです。
参照:Breast Ptosis
バストトップが、バストフレームの中央あたりの最も高い部分と同じ高さにある状態です。
よく見ると少し重力の影響が出始めていますが、見た目ではほとんど垂れていないように感じることが多いです。
バストトップが、バストフレームの中央あたりの最も高い部分よりも下にある状態です。ただし、バストトップがバストのふくらみの内側に位置しており、胸全体の丸みはまだ保たれています。
垂れてきたことが見た目でもわかることもあり、ハリがなくなったと感じる方もいます。
バストトップが、バストフレームの中央あたりの最も高い部分よりも明らかに下にあり、バストの下の輪郭ライン(=バストのふくらみの底辺)と同じくらい、またはそれよりもさらに下にある状態です。見た目でもはっきりと垂れている印象になります。
バストの丸みや高さがなくなる方が多いのも特徴です。
「垂れ乳」と混同されがちなのが「削げ胸」です。
削げ胸とは、バスト上部の脂肪が落ちて、胸そのものが削げてしまったように見える状態です。
胸が全体的に小さくなったように感じるのも特徴です。
一方、垂れ乳はボリュームが残っているけれど、重力の影響で下に下がっている状態なので、見た目や悩みの種類も異なります。
「一度垂れてしまった胸は元に戻らない」と不安に感じる方も多いかもしれません。しかし、胸が垂れる過程には段階があり、それぞれの変化を理解することで、早めのケアや予防につなげることが可能です。
ここでは、バストが垂れていく際に見られる3つの主な変化について解説します。
まず最初に現れるのは、バスト上部(特にデコルテ部分)のボリュームが減少する変化です。
鏡を見たときに「胸の上が削げたように見える」「ハリがなくなった気がする」と感じた場合、この段階に入っている可能性があります。
バストトップの位置が下がり始め、バスト全体の形に変化が現れます。いわゆる「下垂」が目立つようになります。胸の丸みや高さが失われ、衣服を着た際のシルエットにも影響が出てくるため、スタイルに悩みを感じやすくなる時期です。また、ノーブラの状態で明らかに胸の位置が下がって見える場合、すでに垂れが進行しているサインと考えられます。
最終段階として、バストトップが明らかに下向きになり、胸の最下部よりも下に位置するようになります。これは、医学的には「乳房下垂のグレード3(重度の下垂)」に該当します。
この段階では、クーパー靭帯の伸びや皮膚のたるみが進行しており、自然に元の位置に戻すのは難しい状態です。
「胸が垂れるのはもっと年齢を重ねてから」と思われがちですが、実際は20代から変化の兆しが見られることもあります。ここでは、各年代に見られるバストの変化や、下垂に関する悩みについて解説していきます。
バストの下垂は、年齢だけでなく、妊娠・出産、授乳、生活習慣、体重の変化、ホルモンバランスなどのさまざまな要因で進行します。
そのため、明確に「○歳から垂れる」とは言い切れませんが、20代後半からバストの変化を自覚し始める方が多いと言われています。
特に出産・授乳はバストを支える「クーパー靭帯」に大きなストレスをかけると言われており、バストのボリュームや位置に変化が起きやすくなるとされています。
20代は、ホルモン分泌が活発で皮膚のハリもあるため、バストラインも若々しい印象を保ちやすい時期です。
しかし、無理なダイエットや姿勢の悪さ、ノーブラで過ごす時間が長いことなどによって、クーパー靭帯への負担が蓄積することで、美しいバストを保てなくなることがあると言われています。
30代に入ると、加齢に伴い肌のハリや弾力が徐々に失われていきます。これは、真皮層に存在するコラーゲンやエラスチンといった弾力繊維の質や量が変化し、肌の構造そのものが弱くなるためです。
特に女性の皮膚では、30代以降に弾力性の低下が顕著になりやすいとされており、これはバストの皮膚にも当てはまります。肌にハリがなくなることで、バストを支える力が弱まり、結果として下垂が目立ちやすくなることがあります。
参照:見た目年齢判断に影響する要因-30代と40代女性の素顔での検討-
40代以降では、女性ホルモンの分泌が減少し始め、皮膚の水分量や弾力、脂肪の質などが大きく変化していきます。
その結果、バストのボリュームが減少し、皮膚やクーパー靭帯が伸びることで下垂が目立ちやすくなります。
参照:エストロゲンの機能とストレス~生涯を通じて健康を維持するために~
バストが垂れてしまうのにはさまざまな要因があり、原因は一つではありません。
ここからはバストの下垂に関わっている主な原因について詳しく解説していきます。
女性ホルモンの一つに「エストロゲン」があります。エストロゲンはコラーゲンを生成する働きがあり、バストを支えるクーパー靭帯はコラーゲンが主成分であるため、バストにとって欠かせないホルモンと言えます。
しかし、身体に強いストレスがかかると、エストロゲンは減少してしまうことがわかっています。
参照:エストロゲンの機能とストレス~生涯を通じて健康を維持するために~
上述したように、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」はバストにとって欠かせないホルモンです。
しかし、加齢とともにエストロゲンの分泌量は徐々に減少していきます。特に更年期以降は急激に減少し、バストのハリを保ちにくくなります。
その結果、皮膚のたるみやバストを支える靭帯が弱くなり、バストの下垂が起こりやすくなります。
バストは筋肉がなく、筋膜につながる「クーパー靭帯」と外側の皮膚によって支えられており、クーパー靭帯が伸びきってしまうことでバストの下垂につながると言われています。
妊娠や授乳期には、ホルモンの影響によりバストのサイズが一時的に大きくなります。
しかし、授乳が終わると乳腺の働きが落ち着き、バストのボリュームが減少することで、皮膚や皮下組織にたるみが生じやすくなります。
その結果として、バストの下垂が目立つように見えることがあります。
参照:妊娠と美
サイズが合っていないブラジャーは、バストを正しく支えることができず、クーパー靭帯や皮膚に大きな負担がかかってしまいます。
自分のバストサイズを定期的に見直し、体型の変化に合わせた下着選びを心がけることで、バストの崩れを防ぎ、健やかなバストラインを保ちやすくなります。
ここからは日常に取り入れやすい、簡単なセルフケア方法をご紹介します。
バストを支えるクーパー靭帯は、運動などの激しい揺れや重力によって伸びやすいと言われています。
日中はサポート力のあるブラジャー、運動時はスポーツブラを着用することで、バストへの負担を軽減することができます。
また、ナイトブラは寝ている間のバストの横流れを防ぎたい人に使用されることがあり、就寝中の体勢による不快感の軽減などを目的に選ばれることもあります。
このあと垂れ胸におすすめのブラジャーもご紹介していきますので、ぜひご参考にしてください。
参照:運動・スポーツ時における女性特有の乳房に関する傷害とその防止に関する文献レビュ
ー:乳房の傷害とスポーツブラの着用に焦点をあてて
ブラジャーを着用する際には、正しい手順でフィッティングを行うことが大切です。
正しく着用するだけでバストトップの位置が上がったり、バストラインが美しく見えることがあります。
また「服を着たときに胸が垂れて見えるのが気になる」というお悩みを持つ方にとっても、正しい着用は非常に効果的です。
以下の写真は、正しいフィッティングを行った場合とそうでない場合の比較です。
左:フィッティングを行わなかった場合
右:正しいフィッティングを行った場合
バストトップの位置やラインの整い方の違いが、ひと目でわかります。
正しいフィッティング方法については「#おうちでブラフィッティング」ページで見ることができますので、ぜひご覧ください。
バストの土台である大胸筋がしっかりしていると、バスト全体を引き上げるような効果が期待でき、見た目の位置が高く、ハリのある印象に近づきやすくなります。
大胸筋を鍛える代表的なトレーニングとして、腕立て伏せが挙げられます。少しずつでも継続することで、バストラインに変化が見られるかもしれません。
妊娠・授乳でバストサイズが変化した後、急激なサイズダウンや皮膚の伸びが起こることで、バストが下垂しやすくなると言われています。
そのため、産後は改めてフィッティングを行い、現在の身体に合ったブラジャーを選ぶことが大切です。
ホールド力のあるブラジャーを着用することで、日常的にバストを正しい位置に保つことができます。
バストの下垂は、年齢や重力の影響などで自然と進行してしまうものです。
しかし、日頃の習慣次第で下垂の進行をゆるやかにしたり、キレイな形をキープすることも可能です。
ここでは、バストの下垂へ効果が期待できる4つの予防法を紹介します。
バストの下垂を防ぐには、日常的に正しいサイズ・形状のブラジャーを身につけることが重要です。
サイズが合っていないブラを着けていると、バストをしっかり支えられず、クーパー靭帯や皮膚に負担をかけてしまう可能性があります。
また、自分に合うブラジャーを知るには、正しいバストサイズを把握することも大切です。
以下のステップで、ご自宅で簡単にバストサイズを測定することができます。
トップバストサイズからアンダーバストの数値を引いた差がカップ数です。
トリンプの「#おうちでブラフィッティング」ページでは、測定した数値を入力するだけで、ご自身のバストサイズを知ることができます。
日常の姿勢は、バストラインに大きく関わっています。
猫背や前かがみの姿勢が習慣化していると、胸が下向きに引っ張られやすくなり、重力の影響を強く受けるようになります。
その結果、胸を支えるクーパー靭帯や皮膚に少しずつ負担がかかり、下垂のリスクを高めることがあります。
美しいバストラインを維持するためには、背筋を伸ばし、胸を自然に張った姿勢を心がけることが大切です。
立っているときも座っているときも、骨盤を立て、肩を軽く後ろに引く意識を持つと良いでしょう。
バストの皮膚が乾燥することで、ハリや弾力が失われやすくなり、結果として下垂を引き起こす可能性があります。
特にバストは、日中はブラジャーによる摩擦、夜間は布団との擦れなどの刺激を受けやすいパーツです。そのため、毎日の保湿ケアで肌をやわらかく健やかに保つことが重要です。
保湿クリームやボディオイルを使用したやさしいマッサージは、血行促進にも役立ちます。
血流やリンパの流れが良くなることで、肌の新陳代謝が高まり、ハリのある若々しい印象のバストを維持しやすくなります。
バストは主に脂肪と乳腺、そしてそれを支える皮膚や筋肉から構成されています。これらを健やかに保つためには、栄養のバランスが取れた食生活が欠かせません。
特に意識したいのは、以下の栄養素です。
たんぱく質:筋肉や皮膚、クーパー靭帯の材料になります。
ビタミンC・E:抗酸化作用があり、コラーゲンの生成をサポートします。
特にビタミンCはコラーゲンの生成を助けてくれるため、肌のハリを保つのに効果的です。
亜鉛・鉄:肌や粘膜の新陳代謝を助けたり、ホルモンバランスを整えたりする働きがあります。
食事を抜くなど無理なダイエットで急激に体重を落とすと、皮膚がたるみやすくなり、バストの下垂が進んでしまうこともあります。
健康的な食生活が、美しいバストを守る基本と言えるでしょう。
ここからは垂れ胸でお悩みの方へおすすめのブラジャーを、シーンやライフスタイル別にご紹介していきます。
※記事に掲載されている商品価格はセールなどにより価格が変更になる場合がございます。正確な商品価格は商品詳細ページからご確認ください。
トリンプ プレミアム ゴールドレーベル4006 ブラジャー
価格:¥8,580~(税込)
バストの削げやサイズダウンしたバストをボリュームアップする「トリンプ プレミアム ゴールドレーベル4006 ブラジャー」です。保形性に優れたカップ素材”エンジェルクッションライト”を使用しており、ソフトで軽い着けごこちでありながら、きれいなバストラインをメイクします。
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天使のブラ(R) 魔法のハリ感626 ブラジャー
価格:¥6,050~(税込)
トリンプの人気シリーズ「天使のブラ(R) 魔法のハリ感626 ブラジャー」です。カップサイドの”ハリ感メイクシート”で、バストを下からしっかり引き上げ内側に寄せるので、ふっくらハリ感のあるデコルテに魅せます。3Dソフトパッドでバストを下からしっかりプッシュアップします。
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美胸ナイトブラ6030 ハーフトップ
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フロント部分のクロスがバストを整え、左右に流れにくくし、美胸をキープします。伸縮性に優れた、ソフトで肌にやさしい素材を使用しています。
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植物染め ホールドナイトブラ ナチュラルタッチコレクション
価格:¥4,620~(税込)
自然由来の材料で身体がやすらぐナイトブラ「植物染め ホールドナイトブラ ナチュラルタッチコレクション」です。脇からカップ下にかけて、パワーネットをクロスさせた構造で、胸をサイドから支え、胸の横流れを防止します。
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スロギー エバーインフューズド リラックス(カモミール加工) ナイトブラ
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伸びの良い成型編素材が体にフィットし、快適な着ごこちを表現したシリーズです。就寝中のバスト流れを軽減するナイトブラです。編地の変化で生地のパワーをコントロールし、必要な部分をしっかりサポートします。前中心と脇は高い設計でバストをしっかり包み、安定感のある着けごこちです。
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フロラーレ バイ トリンプ017 ブラジャー(パッドなし)
価格:¥9,350~(税込)
フロント部分が低めの設計で、サイドからバストを中央に寄せ、きれいな谷間を作ります。サイドが幅広のため脇サイドをきれいに見せます。背部には透明感溢れるストレッチリバーレースを使用しているので、締め付け感のない楽な着けごこちです。ストラップにアジャスターがついているので長さの調節が可能です。
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恋するブラ(R) 623 ブラジャー
価格:¥6,600~(税込)
ソフトストレッチカップと肩楽ストラップで楽な着けごこちの「恋するブラ(R) 593 ブラジャー」です。フロント中心部のワイヤーを薄くフラットにし、外側に反らせた”NEWエンジェルワイヤ”を使用しており、産後の敏感になりやすいお肌にもくいこみにくく、痛くなりにくくなっています。
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Q1:切れたクーパー靭帯は元に戻せるのか
A:クーパー靭帯は、乳腺や脂肪を内側から支えるコラーゲン繊維の束と言われており、とても繊細な組織です。
妊娠・授乳、激しい運動、ノーブラでの生活などで一度切れてしまったクーパー靭帯は、残念ながら元の状態には戻らないと言われています。
だからこそ、日頃からできるケアや予防法を継続することが大切です。
Q2:小さいバストでも垂れることはある?
A:バストのサイズに関係なく、垂れる可能性はあります。
「胸が大きい=垂れやすい」というイメージはありますが、実際には小さなバストでもクーパー靭帯が傷つくと垂れてしまうことがあります。
特に皮膚のハリや筋肉量、姿勢、ブラジャーの着用習慣などが影響するので、日頃から美しい姿勢を意識したり、正しくブラジャーを着用することが大切です。
本記事で、垂れ乳の改善方法や日常の中で取り入れやすいケア、おすすめのブラジャーなどについてお伝えしました。垂れ乳に悩む皆さまのご参考になれば幸いです。