「いつの間にか、洗濯表示のマークが変わっていた……」
ふと洗濯表記を見て、見慣れない記号に戸惑いを感じた方は多いでしょう。
洗濯表示マークは、2016年12月にJIS(日本産業規格)が改正され、さらに2024年8月に一部の内容が見直されています。
そこでこの記事では、新しい洗濯表示マークの意味や見方をわかりやすく解説します。
デリケート素材のお手入れ方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
2024年8月のJIS改正では、一部の記号が追加されたほか、意味の修正・表現の変更が行われました。
特に注目すべき変更点は、次の2つです。
2024年8月のJIS改正では、以下の新しいマークが追加されました。
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液温30℃を限度とする手洗い記号 |
よりデリケートな素材向けに、水温が低めに設定された手洗い記号が新登場。 従来の「手洗い」は40℃を基準としていましたが、よりやさしい扱いが求められる衣類に配慮されました。 |
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スチームなし・120℃を限度とするアイロン記号 |
スチーム機能を使わず、120℃以下の低温でアイロン仕上げを行う記号。 これまでの「110℃・スチームなし」記号が見直され、よりシンプルで実用的になりました。 |
これにより、従来よりもきめ細やかな洗濯が可能になり、衣類をより正しくケアできるようになりました。
アイロンに関する表示では、温度設定の上限が引き上げられ、スチームの使用条件が整理されました。
変更された主な内容は、以下のとおりです。
| 番号 | マーク | 変更後の意味(2024年8月以降) | 変更前の意味(~2024年7月) |
| 530 | ![]() |
底面温度210℃を上限としてアイロン仕上げできる | 底面温度200℃を上限としてアイロン仕上げできる |
| 520 | ![]() |
底面温度160℃を上限としてアイロン仕上げできる | 底面温度150℃を上限としてアイロン仕上げできる |
| 510 | ![]() |
底面温度120℃を上限としてアイロン仕上げできる | 底面温度110℃を上限としてスチームなしでアイロン仕上げできる |
アイロンの温度上限がそれぞれ10℃引き上げられ、510番では「スチームなし」という条件がなくなり、シンプルな表現に変更されました。
ドライクリーニングに関する記号も変更されました。使える溶剤の種類が増え、クリーニング店での選択肢も広がっています。
| 番号 | マーク | 変更後 | 変更前 |
| 620 | ![]() |
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パークロロエチレン及び石油系溶剤でのドライクリーニングが可能 |
| 621 | ![]() |
上記溶剤を使った「弱い処理」対応 | 同様に、パークロロエチレン・石油系溶剤のみ |
| 610 | ![]() |
|
石油系溶剤のみ |
| 611 | ![]() |
上記溶剤を使った「弱い処理」対応 | 石油系溶剤のみ |
出典:消費者庁 家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正について
溶剤の選択肢が増え、素材に合わせた適切な処理がしやすくなっています。
それでは、2024年8月の最新改正に対応した洗濯表示マークの種類と意味を、カテゴリ別に整理して紹介します。
それぞれ、日本産業規格のJIS規格(JIS L0001:2024)に基づいて解説します。
以下は、洗濯処理に関する記号と意味です。
| 番号 | 記号 | 意味 |
| 190 | ![]() |
温度上限:95℃ 洗濯機で通常どおりの洗濯が可能 |
| 170 | ![]() |
温度上限:70℃ 洗濯機で通常どおりの洗濯が可能 |
| 160 | ![]() |
温度上限:60℃ 洗濯機で通常どおりの洗濯が可能 |
| 161 | ![]() |
温度上限:60℃ 洗濯機で弱い水流での洗濯が可能 |
| 150 | ![]() |
温度上限:50℃ 洗濯機で通常どおりの洗濯が可能 |
| 151 | ![]() |
温度上限:50℃ 洗濯機で弱い水流での洗濯が可能 |
| 140 | ![]() |
温度上限:40℃ 洗濯機で通常どおりの洗濯が可能 |
| 141 | ![]() |
温度上限:40℃ 洗濯機で弱い水流での洗濯が可能 |
| 142 | ![]() |
温度上限:40℃ 洗濯機で非常に弱い水流での洗濯が可能 |
| 130 | ![]() |
温度上限:30℃ 洗濯機で通常どおりの洗濯が可能 |
| 131 | ![]() |
温度上限:30℃ 洗濯機で弱い水流での洗濯が可能 |
| 132 | ![]() |
温度上限:30℃ 洗濯機で非常に弱い水流での洗濯が可能 |
| 110 | ![]() |
温度上限:40℃ 手洗いが可能 |
| 111 | ![]() |
温度上限:30℃ 手洗いが可能 |
| 100 | ![]() |
家庭での洗濯禁止 |
漂白処理に関する表示は、以下の3種類に分類されます。
| 番号 | 記号 | 意味 |
| 220 | ![]() |
塩素系および酸素系漂白剤による漂白処理ができる |
| 210 | ![]() |
酸素系漂白剤による漂白処理ができるが、塩素系漂白剤は不可 |
| 200 | ![]() |
漂白処理は不可 |
乾燥処理は、主に以下の2種類に分類されます。
タンブル乾燥とは、ドラムを回転させながら温風によって衣類を乾燥させる方法です。コインランドリーの乾燥機や、自宅での洗濯機による乾燥機能がこれにあたります。
| 番号 | 記号 | 意味 |
| 320 | ![]() |
高温(排気温度の上限80°C)でのタンブル乾燥が可能 |
| 310 | ![]() |
低温(排気温度の上限60°C)でのタンブル乾燥が可能 |
| 300 | ![]() |
タンブル乾燥は不可 |
自然乾燥とは、機械を使用せず、つり干しや平干しで乾燥させる方法です。
| 番号 | 記号 | 意味 |
| 440 | ![]() |
つり干し乾燥がよい |
| 445 | ![]() |
日陰でのつり干し乾燥がよい |
| 430 | ![]() |
ぬれつり干し乾燥がよい |
| 435 | ![]() |
日陰でのぬれつり干し乾燥がよい |
| 420 | ![]() |
平干し乾燥がよい |
| 425 | ![]() |
日陰での平干し乾燥がよい |
| 410 | ![]() |
ぬれ平干し乾燥がよい |
| 415 | ![]() |
日陰でのぬれ平干し乾燥がよい |
※ぬれ干しとは、脱水や手で絞らずに干す方法を指します。
アイロンの形で示され、温度に応じてドット数が変わります。
| 番号 | 記号 | 意味 |
| 530 | ![]() |
底面温度210°Cを限度としてアイロン仕上げできる |
| 520 | ![]() |
底面温度160°Cを限度としてアイロン仕上げできる |
| 510 | ![]() |
底面温度120°Cを限度としてアイロン仕上げできる |
| 511 | ![]() |
底面温度120°Cを限度としてスチームなしでアイロン仕上げできる ※スチーム使用は不可逆的損傷の恐れあり |
| 500 | ![]() |
アイロン仕上げ不可 |
クリーニング記号は、以下の2種類に分類されます。
ドライクリーニングは、使用できる溶剤や処理の強さが記号によって異なるので注意しましょう。
| 番号 | 記号 | 使用可能な溶剤 | 処理強度 |
| 620 | ![]() |
パークロロエチレン、ジブトキシメタン(沸点182.5°C、引火点62°C)、石油系溶剤、またはデカメチルペンタシクロシロキサンによるドライクリーニングが可能 | 通常処理(乾燥温度上限80℃) |
| 621 | ![]() |
上記溶剤でのドライクリーニングが可能 | 弱い処理(乾燥温度上限60℃) |
| 610 | ![]() |
石油系溶剤(蒸留温度150 °C~210 °C、引火点38 °C~70°C)またはデカメチルペンタシクロシロキサン(沸点210°C、引火点77°C)によるドライクリーニングが可能 | 通常処理(乾燥温度上限80℃) |
| 611 | ![]() |
上記溶剤でのドライクリーニングが可能 | 弱い処理(乾燥温度上限60℃) |
| 600 | ![]() |
ドライクリーニング不可 |
※すべてのドライクリーニング記号には、タンブル乾燥(熱風乾燥)が含まれます。
ウエットクリーニングは、デリケートな衣類を水と特殊な洗剤を使用して洗浄するクリーニング方法です。
通常は水に弱い素材でも、専用の機械や洗剤、仕上げ工程を通じて、縮みや型崩れを最小限におさえつつ洗う高度な技術を要します。
| 番号 | 記号 | 意味 |
| 710 | ![]() |
通常の処理でウエットクリーニングが可能 |
| 711 | ![]() |
弱い処理でウエットクリーニングが可能 |
| 712 | ![]() |
非常に弱い処理でウエットクリーニングが可能 |
| 700 | ![]() |
ウエットクリーニング不可 |
洗濯表示マークの意味を理解しても、実際の生活でどう活かせばよいか迷う方は多いでしょう。
特に、下着やおしゃれ着のようにデリケートな衣類は、表示どおりに扱わないと、型崩れや縮み、変色などの原因になりかねません。
ここからは、そのような繊細な衣類を長く保つお手入れのコツを解説します。
まず洗濯前に確認したいのは、衣類のコンディションです。
主なチェックポイント
これらがある場合、洗濯によってダメージが進んでしまう可能性があります。応急処置をしてから洗う、あるいは手洗いやクリーニングを選ぶと安心です。
デリケートな衣類は「水洗い不可」「手洗いのみ」「中性洗剤使用」など、洗濯表示に細かく指定されているケースがあります。
たとえ洗濯機OKの表示があっても、次のように配慮するとよいでしょう。
洗濯機の「おしゃれ着コース」や「手洗いコース」が適しているかは、表示と洗濯機の取扱説明書を照らし合わせて確認してみてください。
素材によって、洗濯での注意点は異なります。
ここでは、代表的な素材を4つピックアップし、それぞれのポイントをまとめました。
| シルク・サテン |
熱・摩擦・直射日光に弱い 手洗いがおすすめ(30℃以下のぬるま湯/中性洗剤使用) 振り洗いで優しく洗い、タオルで挟んで脱水 陰干し・平干しが基本 ※日光による変色リスクがあるため、屋外干しNG |
| ウール・カシミヤ |
水や摩擦で縮みやすい 洗濯機OKでも「ネット使用/おしゃれ着コース」が安心 裏返して畳み、洗濯ネットに入れる 中性洗剤で短時間洗い 干す前に形を整え、平干しで乾燥 |
| レーヨン・キュプラ |
水に弱く、非常に縮みやすい 基本は手洗い推奨(押し洗い) 30℃以下の水、おしゃれ着用洗剤で短時間処理(30秒以内が目安) タオルで挟んで脱水/陰干し |
| テンセル |
吸湿性・速乾性が高いが、摩擦に弱い 洗濯機OK:ネット使用/おしゃれ着コース 裏返してネットに入れ、中性洗剤で洗う 乾燥機はNG。日陰でつり干しか平干しに |
洗濯表示は、衣類にとっての「取り扱い説明書」のようなものです。
お気に入りの下着やインナーを長く楽しむためにも、表示に従った洗濯と、少しの工夫を取り入れてみてください。
デリケートな衣類を傷めずに長く着るためには「洗う環境づくり」から見直すとよいでしょう。
特に、インナーウェアやランジェリーを洗う際は、以下のアイテムがあると安心です。
洗濯ネットは「摩擦」「絡まり」「引っかかり」などのトラブルから衣類を守ってくれます。特にレースや下着は繊細な作りのため、ネットを使わない洗濯は型崩れや劣化の原因になりかねません。
洗剤は、中性洗剤を使うと、風合いや色を保ちつつ、やさしく洗えます。
なお、洗剤は適量を守りましょう。過剰な使用は、すすぎ残しや繊維の劣化の原因になりかねないので注意してください。
洗濯後の干し方も、衣類ケアにおいて見落とせない大事なポイントです。
型崩れを防ぐ干し方の基本
「洗って終わり」ではなく「干し方までがケア」という意識を持ちましょう。
デリケートな衣類の中でも、さらに丁寧な扱いが求められるのがランジェリーです。
ここでは、トリンプが推奨する、洗濯表示を活用した正しい下着の洗い方を紹介します。
洗濯を始める前に、必ずタグの洗濯表示を確認しましょう。
洗濯表示は、衣類の素材特性に基づいて、適切な洗い方や干し方、アイロンがけなどを示しています。
特にランジェリーは繊細な素材が使われることが多く、洗濯表示の指示を守ると、長持ちの第一歩につながります。
洗う前にも、以下のようにひと手間加えましょう。
こうした準備によって、色移りや型崩れ、生地劣化などのトラブル回避につながります。
ワイヤー入りの ブラジャーやレース素材などは、できるだけ手洗いが推奨されます。
トリンプ推奨の手洗い方法
脱水機の使用やねじり絞りは型崩れの原因につながるため、タオルドライでやさしく脱水しましょう。
洗濯後の干し方や保管も、インナーの劣化を防ぐ重要な工程です。
特に、以下の点に配慮しましょう。
ランジェリーは、体に直接触れる大切な衣類です。
洗濯表示を正しく理解し、洗う・干す・しまうまでを丁寧に行うと、快適に着用できるでしょう。
なお、ランジェリーの取り扱い方について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
内部リンクURL: トリンプ インナーウエアの基礎知識